実家が空き家になった!
買取専門の会社による買取を選択するメリットとは?
実家が空き家になったら、多くの人が売却を視野に入れるのではないでしょうか。でも売却には、「仲介」と「買取」の2種類の方法があるのをご存知でしょうか。「仲介」は一般的な売却方法ですが、「買取」は買取専門の不動産会社が買い取ってくれる方法です。この記事では、実家を「買取」で売却するメリットについて解説します。
実家を空き家のままで放置した場合の問題点
空き家となった実家が遠方にある場合、なかなか様子を見に行くことができません。しかしこの空き家を放置したままにしたら、いったいどうなるのでしょうか。ここでは、空き家を放置した際に発生する問題点について解説します。
老朽化が進むと特定空き家に指定される
建物の老朽化が進み崩壊寸前の状態になると、地方自治体は安全確保の観点から、その空き家を特定空き家に指定する権限を有しています。特定空き家に指定されると、地方自治体から、除却命令が出され、応じないと行政代執行されることもあります。
また固定資産税の優遇措置が適用されなくなるため、固定資産税が最大で6倍に跳ね上がります。
雑草が生い茂る
手入れが行われない庭は、たちまち雑草が生い茂ります。小動物が身を隠せる恰好の場所になることから、野良猫などが住み着き、大量に繁殖する可能性があります。
不審者が勝手に住みつく
誰も住んでいない住宅だと分かると、不審者がガラスを割るなどの手段で侵入して、勝手に住みついてしまうことがあります。
悪戯で放火される
荒れ果てた住居は、心無い人の悪戯で放火される可能性も否定できません。
不法投棄される
空き家をいいことに誰かが庭先に不法投棄をすると、連鎖反応的に不法投棄が続くことがあります。
買取専門の会社による買取とは
空き家を放置しておくと、さまざまな問題が発生することが分かりました。その対策の一つとして、買取専門の不動産会社に物件を買い取ってもらう「買取」という方法が考えられます。
ここでは、買取がどのような流れで進められていくのかについて説明をします。
売却の相談
売主は、まず買取専門の会社に売却の相談をすることから始めます。この場合、相談は1社にこだわる必要はなく、複数の会社に相談を持ち掛けることも可能です。
買取専門の会社が現地調査
早ければ翌日には買取専門の会社が対象物件の調査に尋ねてきます。内部も調査をするので、空き家の場合は、日程を調整したうえで売主も立ち会います。
買取金額の提示~交渉成立
調査から1日~3日後に買い取り金額が提示されます。提示された金額に納得ができれば交渉成立になります。
今後のスケジュールの打ち合わせ
交渉が成立すれば、買取専門の会社の方は、いつでも代金を支払う用意ができています。展開が早いので、売主側は準備ができていないことが多く、ここで改めて引き渡しや契約の日程を打ち合わせします。
契約、代金の授受
引き渡しの日が近づくと、売買契約をします。早ければ3日程で、買取代金が支払われます。
引渡し
荷物をすべて搬出して、買取専門の会社に引き渡しをします。
買取り後リフォームを開始
買い取られた空き家は、買取専門の会社が、ただちにリフォームに着手します。
システムキッチン、ユニットバス、便器を交換したり、外壁や屋根の塗装替えを行なったりすることで、付加価値を生み出します。
状況によっては、ほとんどリフォームを手掛けることなく、賃貸物件として活用することもあります。むしろ美装に力を入れるよりも、新たな魅力を打ち出す方が、入居希望者からの声がかかりやすくなります。たとえば、賃貸住宅やセカンドハウスとしての利用や工房や民宿として活用されることがあるのです。
買取を選択した場合のメリット
実家の空き家を仲介ではなく買取によって売却した場合に、どのようなメリットがあるのかを解説しましょう。
現金が入るのが早い
順調に進めば、交渉成立から1週間程で、売却した代金を手にすることができます。買い替えを考えている場合、次の計画が立てやすいというメリットがあります。
売却が他人に知られない
自宅を売却する場合、仲介だと広告を積極的に打ち出すので、近所の人に売却を知られることになります。買取の場合、広告を出すことはないので、近所の人に知られることなく売却が可能です。
仲介手数料が不要
買取専門の会社が直接買い取るので、仲介手数料は不要です。一般的な仲介手数料は、「売却価格×3%+6万円+消費税」です。たとえば、3,000万円の売却額だと、約100万円ですから、この支出が不要になるのは大きなメリットです。
ドタキャンがない
仲介の場合、契約直前になって「住宅ローンの融資が受けられない」といったことや「契約上の問題がある」といった理由で、直前になって契約が白紙に戻ることがありますが、買取専門の会社は、確実に契約を実行します。
売却後のクレームがない
買取専門の会社は宅建業を営んでいますから、不動産取引のプロです。自社ですべて納得をしたうえで購入しているので、購入後に契約不適合としてクレームをつけられる心配はまったくありません。
買取を選択した場合のデメリット
買取を選択する場合は、メリットばかりでなくデメリットも把握しておく必要があります。買取のデメリットとしては次のようなものが挙げられます。
売却額が市場相場よりも安い
一般的に、買取専門の会社が買い取る額は、市場の相場よりも安くなっています。買取専門の会社は、リフォームによる住宅の再生で利益を出すことを目的としているため、「売却金+リフォーム家代金」を上回った額で売却ではないと利益がありません。新たに売り出した場合でも、市場の相場でしか売却できないため、一定額相場よりも安くなってしまいます。
どんな物件が買取に適しているのか
メリット・デメリットが分かったところで、どのような物件が買取に適しているのかをみていきましょう。
実家の空き家の管理が難しい
実家が空き家になると、現場が荒れないように、定期的な監視が必要になってきます。なかなか売却ができないと、いつまでも維持管理を続ける必要がありますから、売却活動を要さず売却できる買取が適しています。
早急に現金が必要
仲介だと、買主が現れない限り現金を手にすることはできません。買取の場合、ただちに金額が提示されて、合意すれば現金が支払われますから、早急に現金が必要な場合は、買取が適しています。
複数の相続人がいる
不動産の相続で複数の相続人がいると、分割方法でもめることがあります。それは路線価から算出される価格と市場価格に乖離があるからです。つまり、実際に売却して現金化をすることが、誰もが納得する最も平等な分け方だということです。
しかし仲介の場合、実際に買主が現れないことには売却額が確定しないので、なかなかな問題が解決しません。そのうち相続税の期限も近づいてきますから、早い段階で売却金額が確定する買取が適しているのです。
心理的瑕疵物件である
家の中で自殺があったといった、心理的瑕疵物件は、なかなか売却することができません。スムーズに売却するには、買取での売却が適しているといえます。
まとめ
実家が空き家になった際、売却活動をしてもなかなか買主が現れないという現実に直面することがあります。
勤務先との関係もあり、単純に住み心地がよさそうといった理由では売れません。それぞれの実態に即した用途に使用できる物件こそが魅力のある物件となり得るのです。
買取専門の会社は、そうしたニーズを正確に把握したうえで、物件のリフォームを考えますから、売れない物件の中に潜む新たな魅力に気がついています。
実家の空き家の処分や管理で悩んだら、一度買取専門の会社に相談してみてはいかがでしょうか。